アイナメ釣りには釣り方も大事ですが、その前に魚の居場所を探すことが大事だと考えます
アイナメがどこに居るのか、居れるのか、居れないのか
その参考になればと思ってまとめてみました
できれば 「【ロックフィッシュの話】アイナメ(アブラコ)の生態」 を先にご覧いただければと思います では
(春)岸よりと・・
3〜4月の水温が5〜8℃くらいの時期
気温が上がり、春めいてくる季節だが、朝晩はまだまだ寒い季節です
北海道では、山に雪が残っており、雪代の影響から水温が上がりにくくなります(海の中はまだ冬)
この時期のアイナメは越冬個体と岸よりの個体がいます
アイナメのほとんどは、冬に水温が下がると水温の安定している深場へ移動しますが、一部の大型個体が浅場で越冬します
この時期の狙うポイント
深場
ここで狙うのは岸寄りを始めた個体です
春のアイナメは水温の上昇と共に岸寄りしてくるので、深場から釣れ始めます
深場と言っても水深が10m前後あれば可能性はあると思います
基本的には餌を求めて浅場に来ているので、アイナメ自体は食い気があることが多いと思います
この時期の浅場の水温は低く雪代の影響で濁り、1日の中での水温変化も大きいので、少しでも水質が安定している深場がポイントになります
狙い方は、ロングスピンで深場の根回りや海藻帯を狙うのがオススメです
ロングスピンでは、1オンスくらいのシンカーを使い、スピニングリールとロングロッドで可能な限り遠投します
リグはビフテキリグやフリーリグなどの、キャストした時の姿勢がオモリが先行するリグがおすすめです
(バレットシンカーを使うとワームをシンカーが押す形になりますが、ビフテキリグなどはラインが折れ曲がり、シンカーの後ろに来てくれるので、飛距離が変わります)
ワームは2インチクラスの小さめを使い、空気抵抗を減らします
(おすすめはパドチューやグラスミノーMといった小さくてパーツの少ないワームです)
アイナメはまだまだ元気に動ける水温ではないので、ズル引きでゆっくり動かします
しかしながら、餌を食べに浅場に寄って来ていますし、岸寄りしたばかりで他の釣り人に狙われてもいないので、アイナメがいれば何らかの反応があるかと思います
アタリがあるがハリにかからない時はルアーの色やサイズを変えますが、何もなければ移動した方が釣れる可能性は高くなると思います
ただし、他の要因がある場合(例えば大会中とか、釣果情報で多くの人が狙っている、悪天候など)に注意してください
深場と隣接する浅場
季節が進むと岸寄りしてくる数も増え、浅場でも釣れてきます
浅場がずっと続く場所にはなかなか定着しませんが、深場と隣接している浅場はアイナメが餌をさがしにきます(食べ終わったら少し深場に帰るっぽいです)
おそらく、寒いなどの理由で浅場に長時間とどまれないのではと思います
日中の水温が上がった短時間だけとか、餌が動き出すマズメや潮流のタイミングに餌を食べに来て、耐えられなくなったらすぐに深場に逃げられるようにしているのではないかと
ですので、釣れなくとも時間を変えて狙うと釣れることも多いので、例えば朝一ダメだった場所でも、ランガンで次々と場所を変えて釣りをしながらたまに戻ってくると良いことがあるかもしれません
この時期のおすすめのリグは軽め・小さめのものです
春は多くの生き物の活動期で浅場に餌が増えます(稚魚とか産卵とかプランクトンなど)
その演出するのに軽め・小さめとなります
2〜5gくらいのシンカーに小さいワームでゆっくり動かす
浅場に来るのは餌を食べるために来ているので、食欲はある(活性は高い)
とはいえ、最盛期ほど元気ではないのでリフフォはリフトの幅を抑え、途中のステイを長めに取るなど、派手なアクションにならないように狙います
岸壁を狙う時も中層より底までゆっくりしっかり落として狙う
狙うのは海底付近が中心になるのですが、中層もオススメです
春先に港の最奥で置き網みたいなピンク色のエビが大量発生することがあり、それを一心不乱に狙うアイナメがいました
かなり大型の個体でしたが、食べているのは3mmくらいのオキアミみたいなもので、群れに突っ込んでは岸壁の影に戻るを繰り返していました
中層をふわふわと漂うものを変色することがあるようです
冬を浅場で過ごす越冬アイナメも、この狙い方で狙うことができますが、厳しい釣りにあるので慣れたら挑戦してみて下さい
夜アブ
この時期、餌となる生き物で夜に動き出すものがあります
鮭稚魚とかバチ抜けとか(バチ抜けは5月かも)です
狙い方は浅場の時と同じですが、対象の餌をを偏食していることがあるので、釣れるワームやカラーに偏りが出やすくなります
アタリがなければどんどんワームを変えていきましょう(エコギア・アボガドチャートハーフフロートが個人的にオススメ)
(春〜初夏)水温が上昇 盛期に
5〜7月上旬の水温が20℃くらいまでの時期は、アイナメの最盛期で、アイナメが積極的に餌を追いかけてくれる季節です
この時期の狙うポイントは
行動範囲が広い
海の中の生き物の数も多くなり、あちこちに餌があるので、アイナメの行動範囲も広くなります
この時期のアイナメは大型の個体を中心に数匹の群れで生活する・・らしい
ホッケみたいに大きな群れではないですが数匹から十数匹で過ごすようです
行動範囲は広いのですが1日で大きく動くイメージはなく、例えば餌が取りやすい一定の場所をぐるぐるうろついているイメージです
例えば、大型漁港の船道には数匹で構成された群れが複数組みうろついているが、漁港の作業場の前などの小場所には一つしか群れがいない
実際に釣りをする時は魚はある程度固まって行動していると考え、反応がない場所はすぐに移動し、反応があったり一匹釣れた場所ではある程度粘ります
反応がなくなれば同じ群れの個体を釣ったために警戒されたと考えまた移動します
先行者がいて釣れていた場合は他に釣れる個体が残っているかもしれないので一応狙いますが、反応がなければ移動します
行動範囲が広いので深場にも魚はいます
その時はロングスピンで狙いますが、春の初期と違いルアーを動かすスピードは少し早めになります
アクションはリフフォやただ巻きで、スピードは反応を見て変えますが、多少早すぎても途中でステイを3秒くらい入れてみれば十分です
使うリグについてですが、広範囲にアイナメがいるので多くのリグが有効になりますが、その分状況や場所に合わせて多くのリグを使いこなさなければならなくなります
でもめんどうなので、私はベイトロッドに14gのシンカーを中心に2〜3インチワームを使ったビフテキリグで狙います
それで反応がなければライトリグに切り替えます
スピニングリールで5gを中心にゆっくりとした釣り方を試します
ラインを震わせる程度のシェイキングで停泊中の船の下を狙ったり、キャストしてゆっくり&小さいリフフォ(ボトムバンプ)で狙ったり、岸壁の際をゆっくり落としては水面まで巻いてくるを数歩ずつ歩いて繰り返すなどです
中層、上層狙い
春の盛期はカタクチイワシなどの比較的小さくて回遊する小魚が多くいます
ですので、中層や上層を真っ直ぐ引いてくる釣りでもアイナメが釣りやすくなります
岸壁の際を狙う時、壁の中層や上層からもアイナメが飛び出してくので、チャターベイトやスピナーベイト、ミノーでも釣りやすい季節です
ズル引きで底を狙う時も少し浮かし気味で狙ったり、リフフォで狙う時も高さのある方が反応がいいこともあります
ロングスピンでもベタ底ばかりではなく、少し浮き気味にワームを泳がせるなどしてみて下さい
アイナメは食べれるなら魚類の方が好きなのではと思うほど偏食することがあります
個人的には絶対ゆっくり底を這っているもの方が楽に食べられると思いますが、ズル引きで反応がないのに、頭上をタダ巻きしたら簡単に釣れることがありました
7月ころの北海道ではイカナゴがベイトになります
イカナゴは砂に潜る性質があり、アイナメは口を砂に突っ込んで探すことがあるので、小魚っぽいワームを少し早めのズル引きや、底をこづきながらのただ巻きも試してみて下さい(カラーは白やクリア系がオススメです)
動かし方も派手めに
アイナメは積極的に餌を食べる時期なので、早いアクションや大きいワームを使って目立つ釣りが有効になります
目立つ釣り一辺倒だとNGだと思いますが、ホッグ系なら3インチ、細めのワームなら4インチでもガッチリと食ってきます
アイナメは、餌を見つけたら遠くからでも近づいてくる印象があるので、目立つワームを使い、早いテンポでランガンすると効率がいいと思います
ポイントの移動も大きくして(例えば冬はキャストして10m移動していたところ、30m移動するとか)どんど動いて探していきましょう
(夏)水温と酸素濃度
8〜10月上旬の水温が20℃を超える時期は、アイナメにはとって暑く、釣りがしにくい季節となります
いわゆる夏枯れの季節です
高水温と低酸素に注意
水温が高いこの季節は、釣れる時間が一番涼しいであろう朝マズメや潮が動く時間に集中したり、釣れる場所が潮がよく動く磯場や深場に偏ります
アイナメは、寒い所には頑張って来ても、暑いところは相当苦手にしていると感じます
また、水温があがると溶存酸素量が低下します
アイナメは非常に低酸素に弱いようです
アイナメだけではないのですが、夏場のリリースは酸欠になりやすいので十分注意が必要なことが、各メディアで注意されていると思います
冷水性の魚で運動量も多いアイナメは酸素の供給量が多いであろう、流れのある場所やサラシが発生する磯場に移動するようです
港の奥の潮通しが悪く浅い場所は、アイナメにとっては居心地の悪い場所になります
低酸素についてですが、大会などで魚をライブウェルに入れ、車内で生かしておくことがあると思います
夏場の車内温度は50℃近くに上り、エアレーションで酸素を供給しようとすると、温度も海水に移動することになります
そうすると、すぐに弱って死んでしまうので十分な氷を準備して温度管理に注意して下さい
磯ロック
高水温と低酸素を避けれる場所の代表が磯場です
水温が低い深場に隣接し、潮流が当たりやすく、サラシができて酸素が水に溶けやすい場所です
また、海藻も生えており、光合成により酸素が水中に供給されます
磯ロックに挑戦する良い季節ですが、足場も悪く取り込みも難しくなるので、安全に十分注意して下さい
(秋)スポーニング
10月中旬から12月の水温が下がり始める季節はアイナメの産卵時期です。
水温が17℃くらいまで下がるとアイナメが岸寄りを始めます
この季節は、オスとメスで行動が違い、その行動を予測してポイントを探すことが重要になります
また、アイナメの行動タイミングは地域差が大きく、同じ北海道でも道北・道央・道南で変わりますし、日本海側か太平洋側でも海流の影響で差があります
基本的には水温がいちばんの目安になるかと思います
オスの行動
北海道では9月後半から婚姻色に変わる個体も現れ、10月には産卵に適した浅場に縄張りを作りはじめます
産卵場所は水深3〜30mの潮通しがよく、見通しのいい岩場やゴロタ場の高所と言われていますが、もっと浅い場所でも婚姻色のアイナメが見えることもあります
(大潮の干潮時でも水面位でなければOKかと)
縄張りの大きさは半径1〜2mくらいで、10月中旬になるとメスを自分の縄張りに入れ卵を産ませます
複数のメスに卵を産ませ、卵が孵るまでの約一ヶ月、外敵から卵を守ったり、卵に水を送ったりと世話をします
何も食べないと言われていますが、産卵タイミングがズレると一ヶ月以上飲まず食わずの割に痩せ細らない様子から、最低限は食べているのではないかとの話もあります
雄は生まれてから1年で成熟し、産卵に参加できるようになります
オスが縄張りから離れると、本当にすぐ卵が襲われてしまうそうなので、可能な限り素早くリリースをお願いしたいと思います
メスの行動
産卵準備はメスの方が早く行動するようで、最初に大型のメスから浅場に移動します
産卵準備で卵を持つせいか身重になるようで、ゆっくりと動く餌(甲殻類系)に反応がよくなります
産卵自体は10月中旬頃から11月半ばに行われ、その前に浅場で餌を荒食いします
メスは成熟に2年かかり、体長25cmほどまでの大きさなら1回で産卵が終わるが大型になると2〜3回に分けて産卵します
岩場の上に卵の塊(凝集粘着卵)を産みつけ、産卵を終えるとその場を離れますが、他のメスの卵を食べることもあります
(卵の色は 淡黄色・濃緑色・紫色・青色と様々で、成長すると徐々に銀色に)
産卵中と産卵直後は食欲がないのですが、その後は体力回復のため食欲が旺盛になり(荒喰いする)、ミノープラグなどでも釣れるようになる(身軽になった?)
複数回産卵するメスは産卵場所の近くの少し深いところで体力の回復と荒喰いをするようです
稚魚のその後
卵は一ヶ月ほどで孵化し、生まれた稚魚は動物プランクトン系を食べて生活します
孵化後5日ほどで餌を食べ始め、2〜3ヶ月くらい浅場の海藻(アマモが好きらしい)の近くで浮遊生活し、その後体長が5〜7cmで底生生活に移行します
稚魚は海藻の近くで生活し、おおむね生後〜1年で15cmくらい、2年で20cm、3年で25〜30cm、4年で30〜35cmくらいと成長します
スポーニング(産卵時期)は
狙うポイントは
産卵や卵の世話を終えたアイナメは、次に越冬のための体力回復をするため、更に餌を求めます
大きめのルアーも効率がいいのか積極的に食ってくるので、早い動きでも食ってくるほど食欲が旺盛なので、さまざまな釣り方を楽しめる時期となります
(冬)大型の個体の越冬
1〜2月ころは北海道では雪が積もる厳寒期となるます
海水温も下がり、8℃くらいを下回ると、ほぼ全ての産卵が終わり、アイナメは体力を回復させつつ深場に移動し始めます
初期は体力を回復させたアイナメが水深のあるところで狙えますがが、2月にもなると水温が2〜3℃となり、ほとんどの個体がルアーが届かない深場の方へ移動しますが、例外もいます
狙うポイントは
沖の沈み根
水温が下がるとアイナメは深場に移動しますが、一気に移動するわけではありません
徐々に水温が下がっていくので、水温が安定しやすい深場に残っている個体もいます
活性は下がっていくので、甲殻類系のワームでゆっくり狙う(ロングスピン)のがオススメです
甲殻類系がオススメなのですが、低水温の影響でカタクチイワシなどのベイトが一時的に岸寄りすると、シャッド系に高反応をする時もあります(ホッケやサクラマスまでも狂乱した年がある)
例外の越冬個体
大型の個体は浅場でも越冬できるらしく、漁港の最奥の浅場にいることがあります
浅場の方が水温が上がりやすく、晴れの日の日中、一番暖かい時間帯が釣りやすくなりますが、それでもかなり渋いです
越冬個体は基本的に堤防のブロックの隙間や穴の中でじっとしていて、目の前を通る餌を捕食します
水温が上がる時間帯はその捕食範囲が少し広くなりますが、基本的に待ち伏せて餌を捕食します
釣行日までの天気も重要で、連日暖かい日が続いた時が狙い目です
狙い方は、穴の中や隙間にワームを入れる穴撃ちか、水温が上がる時間帯に軽量ジグヘッドをゆっくり泳がす狙い方をします
穴撃ちは5〜7gくらいの軽めのテキサスリグでズル引きやボトムバンプで穴を探し、穴の中に入っていくのを感じたらロングステイやシェイクで誘います
通常でしたら目の前に落ちた時点で食いついてきますが、本当に目の前に落ちないとすぐには食いついてこないので、一つの穴で粘ることも重要です
軽量ジグヘッドは、2〜3インチのワームを(2インチがメイン)1.8〜3.5gのジグヘッドを漂うようにゆ〜〜っくり巻いて使います
匂いが強めのワームなら2分くらいのロングステイも釣れます
ラインを張らず緩めずに保ち、寒い中2分くらいじ〜っと待っているのは厳しいですが、意外に連発することもあります
狙う場所は浅場のなかでも、潮流が直接当たらない場所になります
作業小屋の温排水が流れ出てる場所は餌もあるので魚もつきやすいですが、その流れが直接当たる場所ではなく、流れた先のストラクチャーの影などにいることが多いと思います
いずれも追いかける距離はほとんどないので、普段より細かく探る必要があります
最後に
長文になりましたが、参考になりましたでしょうか
魚のいる場所を探すのが重要と話しましたが、その理由を説明できていましたか?
ベテランの方から見れば、「知っている」とか「そこ違うのにな」というのがあると思います
私の妄想も入っていると思いますので暖かい目で見ていただければと思います
また、初心者の人にとって何かの気づきになれば幸いです
それではまた


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