北海道でロックフィッシュを狙う上で中心となるであろう魚種がアイナメ(アブラコ)
そもそもどういう魚なのかをルアー釣り目線で
種や名前の由来はなしで(きりがないので)
まずはアイナメの食事から
アイナメの食性
実際に食べられているとされるもの
- 甲殻類系(エビ・カニ・シャコ・ヤドカリ)
- 小魚(カタクチイワシ・チカ・イカナゴ・ハゼ・鮭稚魚)
- ゴカイ(イソメ・バチ:河口の砂利場とかを掘ると取れる:釣り人は餌パックの中に手を突っ込める)
- ホヤ(岩場とかに生えてる赤い塊、ナマコとか貝に近いのかな)
- フナムシ(堤防にうごめくアレ、泳げないけど呼吸に海水が必要らしい)
- イカ・タコ(タコの足を食いちぎって襲うことも)
- 魚卵(カジカの卵・産卵期には同じアブラコの卵を食べることも)
- ユムシ(砂泥ちにU字の穴を作って生活)
- エラコ(細長い管上の巣穴を岩場につくり先端からエラを出して生活)
- ワレカラ(ロープやカゴ・海藻などあちこちに付いている甲殻類)
- 貝類(ホタテ)
実際に釣り上げた魚が吐き出したものやネットの情報でリストアップしたが、かなりの雑食性なことが分かるかと
餌のいる場所
実際に食べているものを見てみると、砂地に生息しているものもたくさん食べている様子
ゴカイ類は砂泥や砂利のところにいるし、イカナゴやエラコは砂地に生息している
ロックフィッシュは通常岩場や漁港の構造物、障害物の近くを狙うとされることが多いと思うが、アイナメに関して言えば砂地でも釣れることが多い
また、よく動く餌だけでなく、岩などにくっついてほとんど動かない餌も多い
ワームのロングステイが有効になる理由がこれではないかと思う
(同じ場所で波に揺られているみたいな)
アイナメの口の構造
アイナメはグルメ (味覚需要器官が発達)
アイナメの唇には味覚受容器があり、味がわかる
普通は口の中に舌があるので、口の中に入れて判断する(人間とかと同じ)が、アイナメはついばむ段階で餌かどうかを判断できるのだと思う
これにより、ワームに味が付いている効果が高い
また、この器官が発達しているせいか、一つの餌に偏食することがある
よく言われるのはカタクチイワシだと思うが、この時はルアーを横に泳がせる釣りが抜群に釣れるが、それ以外が全然釣れないこともある
そうでなくても、この漁港のこの場所に魚がかたまっていることが少なく無い
ルアーや釣り方が合わないと全然釣れないのに、ルアーを変えた瞬間にアタリが出てくるなど、好き嫌いがハッキリしている気がする
大会が開かれるなど、プレッシャーが高い状況ではさらに厳しくなるが、普段の釣りならば、反応がないときは、即移動かせめてルアー変更などが有効になる理由がこの偏食(選り好み)だと思っている
アイナメの口は下向き
アイナメの口の形は
- ソイやカジカに比べてだいぶ小さく、下向きになっている
- 唇も厚くて硬く、ザラついた歯が細かく生えている
- 口を広げた時にイワシとか金魚を想像するような薄い膜の部分はほぼ無く、吸い込むより噛み付くのが得意
- 喉の奥には貝などを潰せる硬い部分がある
- 一番奥に巾着袋を窄めて閉じたような喉(?)がある
この、構造から噛み付く、ついばむのが得意のようで
- 獲物を一気に丸呑みはせず、噛みついて弱らせてくる
- 小魚などの細長い獲物は頭から徐々に丸呑みする(獲物の向きがわかっている)
- 砂地に口を突っ込んでイカナゴを探すことも(7月くらいに独特の後がダイビングで見られる:砂地とゴロタの境目に多い)
口が丈夫で、カニのハサミを引きちぎって襲うこともある(ワームが食いちぎられる)
例えば、ホッグ系のワームのハサミだけ食いちぎられて釣れなかったとき、普通はワームを新しい物に取り換えがちだが、その前に、そのままアタリがあった場所に投げ直すと、ハサミをちぎって弱らせた獲物を探していたアイナメが釣れることもある(取り替えるのは後でいい)
このようにアイナメは口を器用に使って獲物を探したり弱らせたりする
まとめ
ロック(岩場)だけじゃ無い
ロックフィッシュは岩場、根回り、障害物周りを狙うと言われることが多いと思う
それはそのとおりだが、アイナメに関して言えば、餌を求めて回遊しているらしく、実際、回遊性のアイナメの色は薄く、根に付いている居付きの魚は濃い色をしていると体色に特徴が出る
砂地に生息する餌が多い時期ならそこを回遊しているはず
例えばイカナゴが大量発生している時期なら砂地を回遊するだろうし、カジカの産卵時期(2〜5月)なら岩場の隙間に産みつけられた卵をねらって浅い岩場がいいかもしれない
カジカの卵の色は黄色や茶色なので、近い色のワームが有効かも とか
餌となる生き物の生態も分かると場所選定の目安になる
ランガン(ラン&ガン)
雑誌などでは漁港の船道や船揚場、昆布の近くなど代表的なポイントが記載されているが、そこで必ず釣れる訳ではない(なんならほとんど釣れない)
その理由の一つが捕食対象の多さだと思う
いろんなものを食べていると言うことは、それだけ行動範囲が大きいということかと
アイナメは餌を追い求めて回遊したり、徐々に生活の場を移動させているので、釣れるとされるポイントでもいないことは多い
なので魚のいる場所を探すことが必要になる(回遊待ちの魚とは違う)
そこで、ランガンで魚を狙うことが有効になる
「走って打つ」という言葉だが、とにかく場所を変えて魚を狙っている方法を言う
雑誌などで紹介されるポイントがダメなのではなく、その中のどこにいるのか、また、違う漁港がいいのかとアイナメがいるところを探す釣り方となる
逆にいる場所にはある程度まとまった数のアイナメがいるので、釣れないときは移動する方が無難
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